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「医療崩壊」は過剰報道か

カテゴリ: 医療の現状

医師不足は本当か

2年に1度の調査で厚生労働省から昨年夏に発表された「平成22年(2010年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」では、以下のように報告されています。

・平成22年12月31日現在における全国の届出「医師数」は295,049人で、「男」239,152人(総数の81.1%)、「女」55,897人(同18.9%)となっている。

・平成22年届出医師数を平成20年と比べると8,350人、2.9%増加している。

・また、人口10万対医師数は230.4人で、前回に比べ5.9人増加している。

つまり医師の数は上昇に転じているというのです。しかし、厚生労働省のこの調査は、「届出数」です。だから現在医師として活動していない医師免許を持っている人をすべてカウントしています。それでも、「届出数」が増えた、ということは、医師の数が微増していることの証左にはなっているかもしれません。

因果関係は不明確

慶應義塾大学の池上直己教授は、著書「医療問題」のなかで、「医療崩壊」現象を検証しています。勤務医の数は一貫して増加していること、都市と地方の医師数格差は縮小していることなどのデータを示し、医療崩壊現象はマクロデータからは認められないと論じています。

ただし、池上氏も、現在の医療には多くの深刻な問題があり、速やかな医療改革が不可欠であるとしています。