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医療崩壊の個別事情

カテゴリ: 医療の現状

リスクが増大する産科

最も敬遠される産科は医師不足が深刻で、「産科がなく出産ができない町」が問題になっています。出産年齢が上昇し、高齢出産ではあらゆる可能性に備えて分娩時のフォロー体制を完備する必要に迫られ、小さな施設では荷が重くなっています。一方、出産する側は、「無事に生まれて当然」との思いがあります。しかし分娩には危険も伴うものです。2009年、出産時の事故でもし子どもが脳性まひになった場合に適用される保険制度ができました。出産1000件に対して2〜4件程度の可能性があり、この割合は50年間変わっていないそうです。医師が守られるこのような制度はさらに整備を望みたいものです。

救急医療の利用者の増加

2007年に奈良県の妊婦を乗せた救急車が多数の病院から受入を断られた事件は世間に注目されました。受入を拒否した病院の側は万一妊婦を助けられなかったときに訴えられるリスクを恐れたとも言われています。小児救急でも同様に、救えない場合のリスク回避の結果「たらい回し」となるケースがあります。このような事情とは別に、救急車利用者の急増が救命救急センターの稼動を圧迫しているという背景も重大です。「コンビニ受診」と揶揄されていますが、24時間体制の救急医療はいつでも手軽に受診できる医療施設ではないことを患者の側が認識すること、自治体などが認識させることが重要です。