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医師増員で解消できるのか

カテゴリ: 医療の現状

医師不足ではなく「偏在」

医局頼みだった地方病院では間違いなく医師不足問題が存在しますが、全体で見れば医師の数、勤務医の数、地方にいる医師の数それぞれ微増というデータもあります。「臨床研修制度」は人材の流れに変化をもたらしただけで、「不足」の原因ではありません。言うなれば「偏在」です。ですから、大学医学部の定員を増やしても、現状のままの地方病院に人材が戻ってくる、とは思えません。

地域医療体制の見直しを

地方病院は地域医療を支える重要な役割を担っており、患者は後を絶たず訪れ、そこにいる数少ない医師は過剰な勤務に追われています。このような病院ではまず、プライマリー・ドクターの浸透が必要です。その上で、中小規模の病院が乱立する状態から適性な病院数の体制に改革すべきです。事実上は病院は淘汰の段階に入っていて、経営努力をしている病院は医師を確保して黒字化する一方、立ち遅れた病院は一向に医師も定着せず経営不振が続いています。しかし、病院の合併などはあまりないし、病院を潰すとなると近隣から大反対が起こるため、なかなか進みません。患者にとって不便が生じないように、改革は同時並行の必要があります。無駄のないスピーディな医療で医療費の適正化を図るとともに、あるべき地域医療の体制を抜本的に整備することが不可欠です。医療体制の改革をせずに、医師不足と医師の過剰労働の問題を解決しようとすれば、医療費が再び膨れ上がるでしょう。